洋画専門チャンネルザ・シネマが手掛ける、ミニシアターに特化した動画配信ストリーミングサービス「ザ・シネマメンバーズ」が、31年ぶりの新作の上映が話題となっているビクトル・エリセ監督作2作と、中国の巨匠ジャ・ジャンク―監督作3作を6月より特集配信。その他、カナダの映像制作ユニット「RKSS」の青春ホラー『サマー・オブ・84』も配信するという。
ビクトル・エリセ監督作
『ミツバチのささやき(HDリマスター)』
名匠ビクトル・エリセ監督の長編映画第1作。妖精の存在を信じる少女から見える世界を幻想的な映像美で綴る。純真無垢な少女を演じるアナ・トレントの大きな瞳が印象的。
『エル・スール』
“静謐の魔術師”ビクトル・エリセ監督の長編第2作。もともと3時間の予定だった本編時間が製作上の理由で95分に短縮されたが、内戦の傷を心に追う父と彼を慕う娘の関係が絵画のように美しく彩られ心に染みる。
ジャ・ジャンク―監督作
『四川のうた』
中国の急激な変化を市井の人々の目線から描くジャ・ジャンクー監督の異色ドキュメンタリードラマ。閉鎖される巨大国営工場で働く人々へのインタビューに架空の人物の語りを織り交ぜ、悲喜こもごもの運命を映し出す。
『罪の手ざわり』
ジャ・ジャンクー監督が『長江哀歌』から7年ぶりに手がけた長編劇。中国で実際に起きた4つの事件を基に、社会の底辺でもがく者たちの姿をバイオレンスシーンを交えて描き出す。カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞。
『帰れない二人』
中国映画第8世代の旗手ジャ・ジャンクー監督が、2001年から17年間に渡る中国の変化を背景に、すれ違う男女の旅路と想いを情感豊かに映す。ヒロインを演じるのは、監督の公私のパートナーであるチャオ・タオ。
RKSS(フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセル)作品
『サマー・オブ・84』
気鋭の監督3人によるカナダの映像制作ユニットが、1980年代の青春映画やホラー映画の数々にオマージュを捧げた作品。ノスタルジックなジュブナイルものから急展開する壮絶なクライマックスに息を呑む。