洋画専門チャンネルザ・シネマが手掛ける、ミニシアターに特化した動画配信ストリーミングサービス「ザ・シネマメンバーズ」が、2022年9月に自ら尊厳死を選択した巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の没後1年となるタイミングに合わせ、エッセンシャルな7作品を特集配信。
エッセンシャル:ジャン=リュック・ゴダール
『小さな兵隊』
ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』に次ぐ長編第2作。アルジェリア戦争を題材にしたためフランス国内で2年間公開禁止となった。後にゴダールと結婚する女優アンナ・カリーナの初主演作でもある。
『勝手にしやがれ』
1950年代末からフランスで起きた映画運動“ヌーヴェル・ヴァーグ”の評価を確立した、ジャン=リュック・ゴダールの長編デビュー作。主役の若きカップルに漂う虚無感を、粋なライフスタイルを通じ鮮烈に描く。
『カラビニエ』
前年に同名舞台劇を演出したロベルト・ロッセリーニによる戯曲を、ジャン=リュック・ゴダール監督が映画に翻案。戦争の世界を“ごっこ”のように無邪気に描くことで、その裏にある真実を辛辣に突きつける。
『アルファヴィル』
ジャン=リュック・ゴダールがアメリカ的ハードボイルドをベースに描くディストピアSF。人工知能に支配された星雲都市を、特撮を使わず60年代パリの都市空間を背景に映し出す。ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。
『気狂いピエロ』
意表を突いたショットを次々繰り出し、ジャン=リュック・ゴダールが才気を余すところなく発揮した集大成作。ゴダール作品の常連ジャン=ポール・ベルモンドが自由奔放な主人公に扮し、アナーキーな存在感を魅せる。
『軽蔑(1963)』
ジャン=リュック・ゴダール監督が初期に手がけた傑作メロドラマ。芸術と商業の間に挟まれ、妻との関係にも苦悩する脚本家の姿に自らを投影する一方、ブリジット・バルドーの美しい姿態を鮮やかに刻み込んでいる。
『カルメンという名の女』
著作権が切れたオペラ「カルメン」をジャン=リュック・ゴダールが映画化。ストーリーを大胆にアレンジし、台詞の引用などゴダールらしい作品に仕上がっている。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞と技術功績賞を受賞。