洋画専門チャンネルザ・シネマが手掛ける、ミニシアターに特化した動画配信ストリーミングサービス『ザ・シネマメンバーズ』が、ジャン=リュック・ゴダール監督と共に“ヌーヴェルヴァーグ”を切り開いたフランソワ・トリュフォーの監督作5作を特集。さらに、先月、先々月と引き続き「レトロスペクティブ:ヴィム・ヴェンダース」と題した、ヴィム・ヴェンダース監督映画の特集も3か月連続で展開している。
エッセンシャル:フランソワ・トリュフォー
『大人は判ってくれない』
フランソワ・トリュフォー監督の長編第1作。自らの孤独な幼少期をモチーフに、大人に反発する少年の多感な心情を子供の目線から繊細に綴る。カンヌ国際映画祭で監督賞と国際カトリック映画事務局賞を受賞。
『ピアニストを撃て』
『大人は判ってくれない』でデビューを飾ったフランソワ・トリュフォーが、米国映画の手法やフィルム・ノワールへのオマージュを意欲的に織り交ぜた犯罪映画。シャンソン歌手シャルル・アズナヴールを主人公に起用。
『突然炎のごとく』
ゴダールの『勝手にしやがれ』と並ぶヌーヴェルヴァーグの記念碑的作品。ジャンヌ・モローが魅惑的に演じる自由奔放な女性を中心とした三角関係を、フランソワ・トリュフォー監督が即興的な演出で瑞々しく綴る。
『柔らかい肌』
フランソワ・トリュフォー監督が『華氏451』の準備期間中に撮影した小品。ありふれた男女の不倫ドラマを、トリュフォーが敬愛するヒッチコックのサスペンス風に仕立て上げ、不穏なムードと緊張感を漂わせる。
『日曜日が待ち遠しい!』
フランソワ・トリュフォー監督が亡くなる前年に手がけた遺作。晩年のトリュフォーのミューズだったファニー・アルダンをヒロインに迎え、ヒッチコック風の冤罪サスペンスをモノクロ映像で洒脱に綴る。
レトロスペクティブ:ヴィム・ヴェンダース 3
『パリ、テキサス』
カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたヴィム・ヴェンダースの代表作。雄大なテキサスの風景とライ・クーダーが奏でる哀愁のギター音楽をバックに、記憶喪失の放浪者となった男の孤独、失われた愛の行方を映し出す。
『ベルリン・天使の詩』
天使と人間の女性の愛を描き、日本でも大ヒットしたヴィム・ヴェンダースのファンタジー。まだ“壁”が存在していたベルリンを舞台に、天使の視点をモノクロ、人間の視点をカラーで表現した映像美にも魅了される。
『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』
ベルリンの壁崩壊後のドイツを舞台にヴィム・ヴェンダース監督が製作した『ベルリン・天使の詩』の続編。前作同様、モノクロとカラーが交差する手法で映像美を魅せる。カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞。
『夢の涯てまでも 【ディレクターズカット・4Kレストア版】』
ヴィム・ヴェンダース監督が約13年間構想を温めながら完成させた作品。映像を脳に送り込む装置というSF要素を絡め、終末が訪れた世界を舞台にしたロードムービーとラブストーリーの要素を結び付けている。
『アメリカ,家族のいる風景』
ヴィム・ヴェンダース監督とサム・シェパードが『パリ、テキサス』から約20年ぶりにタッグを結成。落ち目の西部劇スターが故郷で家族の愛を取り戻そうとする姿を、アメリカの美しき原風景を映しながら温かく綴る。